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映画「太平洋の奇跡」撮影 エキストラ出演体験記 その3

 

「はいっ」と、きびきびとした平山監督の声。それに続く「OKです。」というスタッフの方々の声。本番の撮影がOKに なると、緊張感で張り詰めた現場の空気が和らぎます。

 

私はこれまでに3回エキストラ出演させて頂きました。  何もかもが初めての体験で、緊張と興奮の中、初回の撮影が終わりました。 この日の撮影の様子は、エキストラ出演体験記その2に詳しく書かれているとおりです。2回目の撮影では、前回にも増して顔や手足を黒く塗られて撮影現場に赴きました。 現場では地面に大きな穴が2つ掘られ、焼け焦げた荷車や生活用品があちこちに散乱していました。 ここで、地面に倒れている人、荷車の下敷きになっている人、穴の中に落ちている人など、私達CRJAのエキストラにそれぞれの役が割り振られました。 森の中で爆撃を受けて負傷している民間人の役で、前回より黒く塗られたのは爆撃のために煤が付いたという設定だったわけです。

 

私は負傷し朦朧として木にもたれかかっている役でした。 左腕を負傷したという設定になり、その場でシャツの袖が切られ、血糊も塗られて「ざっくりと切れた傷」をメイクの方があっという間に作ってくださいました。 他のメンバーも、額や足から血が流れているメイクが施されました。撮影では、ほとんどのメンバーが兵隊役の俳優の方に救護される役でしたが、大怪我をして呻いている様子などを素人ながらも頑張って演じていました。

 

ですが、何といっても素晴らしいのは出演俳優の方々の演技です。 演技の内容を納得のいくまで監督と話し合ったり、森の中から駆けつけて息があがっているという状況を演じるため、本番直前までその場で腿上げをしたりと、ベストの演技ができるよう役どころに取り組まれていました。 こういった現場を間近に見られるところも、エキストラ出演させて頂く醍醐味です。この日の撮影はたくさんの取材を受けており、いろいろなメディアに掲載されています。

 

3回目の撮影は、サタヒップの海軍基地内に設置されたセットで行われました。米軍の収容所に住んでいるという設定で、撮影は日が暮れてから始まりました。最初は中嶋朋子さんと一緒に車座になり、兵隊服を繕う場面でした。「隣の人とお喋りしながら」という演技指導を頂きましたが、繕い物の手元も気になり、ぎこちない会話になりがちで少し苦心しました。

 

次は収容所の中で私達が寝ている中、首脳会議が行われるという場面です。「大部屋で寝るのは修学旅行みたいだね」と話しながら、それぞれが横になっていました。主演の竹野内豊さんや阿部サダヲさんの声が最高の子守唄になりそうでしたが、藪蚊にたくさん刺され、撮影中はかゆみを堪えるのに必死でした。 この場面で出演俳優の方の撮影は終わり、次は私達エキストラだけの撮影となりました。 収容所に銃弾を撃ち込まれて怯えるというシーンで、演技指導を受けながら何回も「自主練」をして本番に臨みました。本番では壁に火薬を仕込んで点火し、本当に銃撃を受けたような状況がリアルに作りだされました。この撮影では恐怖に怯えて泣き叫んだりと、今までで一番の演技をする事になりました。撮影終了は翌日の午前1時半を過ぎて帰宅も3時を回りましたが、不思議と疲労感は少なく、むしろここまでやったという達成感を味わいました。

 

3回のエキストラ出演を通して感じたのは、映画は監督、出演者はもちろん、大道具さん、メイクさん、音声さん、照明さんといった多くの方々の力を結集して作られているのだという事です。皆さんが担当分野で本当にプロフェッショナルな仕事をされており、その一つ一つに感動せずにはいられません。また、出演俳優の方々も素人の私たちに 挨拶してくださったり、同じテーブルで一緒に話や食事をしてくださる方もいらっしゃり、とても感激しました。 映画へのエキストラ出演という体験はめったにできる事ではなく、この機会を頂いた関係者の皆さんに大変感謝しています。

 

 

(福本ひかり)

 

 

映画「太平洋の奇跡」の撮影風景は、アルバムページにてご覧いただけます。

 

 

     

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